食費+20%増の中、クリスマス費用-8%削減。手作りケーキ26%、オーブンメニュー検索+73%
利用者数No.1レシピサービス「クックパッド」を運営するクックパッド株式会社は、普段料理を作る人を対象にクリスマスと食費に関する実態調査を実施しました(n=541、うち共働き子育て世帯105人)※1。2025年は2年連続の「平日クリスマス」(12/25木曜)。物価高で月の食費が約20%増加する中、クリスマス費用は平均5,640円(前年比-5.7%)。それでも共働き子育て世帯の81.9%は「何らかの料理を用意する予定」と回答しました。手作りケーキが25.6%(前年比+5.8pt)に増加し、2023年12月(週末クリスマス)と2024年12月(平日クリスマス)の検索データ※2比較では「クリスマスチキン」+73.4%、「グラタン」+16.9%と、オーブンを活用した時短メニューが急伸。2025年も同様の傾向が予想されます。
【調査リリースの要点】
◼︎物価高と外食値上げで、クリスマスは「二極化」
◼︎食費+20%増の中、クリスマス費用は平均5,640円(-5.7%)も81.9%が「料理を用意」、70%は予算維持
◼︎2年連続"平日クリスマス"
 手作りケーキが19.8%→25.6%(+5.8pt増)、ピザは-15.4pt、ローストビーフは-5.8pt減
◼︎クリスマスも時短とコスパ、「時短ニーズ」35.6%、「予算を抑えて豪華に」29.9%
 
◼︎【社会状況】物価高と外食値上げで、クリスマスは「二極化」
2025年9月の消費者物価指数は前年比+2.9%上昇しました※3。中でも生鮮食品を除く食料は+7.6%上昇、コメ類は+49.2%上昇と、日常の食卓を直撃しています。
今回の調査でも、月平均食費は全体(n=492)で50,884円から61,148円へ10,264円増加(+20.2%)。子育て世帯(n=276)では56,594円から68,678円へ12,083円増加(+21.4%)、共働き子育て世帯(n=96)でも53,854円から64,844円へ10,990円増加(+20.4%)と、約2割の負担増となっています。20%以上増加した人の割合は、全体で44.5%、子育て世帯で48.2%、共働き子育て世帯で40.6%に達しました。
外食・ホテルは値上げ、インバウンドは過去最高
一方、外食産業は好調です。上場ホテル2025年3月期の平均客室単価は2021年同期比+114.5%上昇(※4)。ホテル内レストランでも原材料高騰を理由に値上げが相次いでいます。インバウンド消費は2025年7-9月期で2兆1,310億円(前年比+11.1%)と過去最高水準。宿泊費の構成比は36.6%(+2.7pt)、飲食費は22.9%(+1.0pt)と増加しています。こうした需要増を背景に、都市部の高級レストランやホテルは高稼働・高単価が続いています。(※5)。外食産業は好調な一方、家庭の食卓は節約を迫られる-「クリスマスの二極化」が進んでいます。
【調査結果1】食費+20%増の中、クリスマス費用は平均5,640円(-5.7%)も81.9%が「料理を用意」
クリスマス費用は、全体で5,984円から5,640円へ343円減少(-5.7%)。子育て世帯では6,492円から6,229円へ263円減少(-4.1%)と削減幅が小さい一方、共働き子育て世帯では6,414円から5,893円へ521円減少(-8.1%)と削減幅が最も大きくなっています。
特に共働き子育て世帯は、今年のクリスマスが平日であり、日常の食費増加(+20.4%)の2点を理由として、今年のクリスマスは前年よりも予算を削減していると推察されます。
共働き子育て世帯の予算内訳を見ると、増加したのは5.7%、減少したのは21.4%ですが、約70%が予算を維持しています。物価高の中でも、子どもとのクリスマスを守ろうとする姿勢が伺えます。
それでも81.9%が「料理を用意する」
「何か料理を用意する」割合は、全体で80.0%から71.2%へ8.8pt減少、子育て世帯で90.0%から81.3%へ8.7pt減少、共働き子育て世帯で91.4%から81.9%へ9.5pt減少しました。減少幅は大きいものの、共働き子育て世帯の81.9%が「何らかの料理を用意する予定」と回答。「特に特別な料理は用意しない」は18.1%に留まり、子どもとのクリスマスを大切にする姿勢が明確です。
【調査結果2】2年連続"平日クリスマス"で配達系激減、オーブン活用急増
平日クリスマスが2年連続
2023年は12月24日が日曜日で週末のため外食しやすい環境でしたが、2024年は12月24日(火)、2025年は12月24日(水)と、2年連続で平日クリスマスとなっています。この曜日の変化が、メニュー選択に大きな影響を与えています。
ピザ-15pt、手作りケーキ+6pt
共働き子育て世帯のメニュー変化を見ると、配達系メニューが大きく減少しています。ピザは15.4pt減少と最大の減少幅を記録。サラダも10.2pt減少、ローストチキンは6.9pt減少、ローストビーフは5.8pt減少しました。
一方で、手作り・時短メニューが増加しています。ケーキ(手作り)は5.8pt増加と最大の増加幅。グラタン・ドリアは3.0pt増加、パスタは3.6pt増加しました。ケーキ(購入)は0.9pt増加とほぼ維持、フライドチキンも2.6pt減少とほぼ維持されています。
【調査結果3】過去4年の検索トレンド:曜日×物価でメイン料理が変化
クックパッドの検索データ(※2)で、2021年~2024年のクリスマスメニュー検索ランキングを見ると、クリスマスの曜日と物価状況によってメイン料理の選択が大きく変化しています。
2022年(クリスマスが日曜)にはフライドチキンが上位にランクイン。週末で配達や店舗購入がしやすく、調理の手間がかからないことが選ばれた理由と考えられます。
2023年(イブが日曜)にはビーフシチューが上位に。週末で時間に余裕があり、煮込み料理のような手間のかかるメニューも選択肢に入ったと推察されます。
一方、2024年(平日クリスマス)では、メイン料理で10位以内にランクインしたのはローストチキン(丸鶏またはもも肉)のみでした。フライドチキンもビーフシチューも圏外に。これは平日で時間制約があることに加え、物価高による予算圧迫(配達フライドチキン3,000円~、牛肉の高騰)も影響していると見られます。「前日に仕込んで当日オーブンで焼くだけ」で、かつ「鶏肉でコストを抑えられる」メニューに絞られる傾向が見られます。
 
実際に、2023年12月(週末クリスマス)と2024年12月(平日クリスマス)のSI値を比較すると、オーブン活用メニューの伸びが顕著です。
オーブンメニューが選ばれる理由は、時短(前日仕込み、当日はオーブンに入れるだけ)、ほったらかし調理(焼いている間に前菜を楽しめる)、特別感(華やかに見える)、コスト削減(配達ピザ3,000円~より安い、牛肉より鶏肉が安い)の4点です。
平日クリスマス×物価高という制約の中で「メイン料理の選択肢が狭まる」一方、サイドメニューやデザートで工夫する動きも見られます。年を追うごとにケーキ、クッキー、カップケーキといった手作りデザート系や、カナッペ、ピンチョスといった「少量でも華やか」な前菜系の検索も増加傾向にあります。市販ケーキが3,000円~5,000円に対し手作りなら材料費1,000円以内、前菜も盛り付け次第でSNS映えすることが支持されていると推察されます。
 
サラダも上位にランクインしていますが、クックパッドのレシピでは「クリスマスツリーサラダ」「リースサラダ」など、形状をアレンジしたレシピが多く投稿されています。通常のサラダとほぼ同じ材料費で「クリスマスらしさ」を表現できる点が人気の理由と見られます。
【提案】平日クリスマスは「時間差コース仕立て」-実働30分、食事90分
平日クリスマスを乗り切るために、「時間差コース仕立て」を提案します。
3人家族の場合
17:00 夕食準備 
17:20 チキンとグラタンをオーブンへ投入
17:30 夕食スタート、前菜登場
18:00 メイン登場
18:30 デザート登場
実働時間は約30分ですが、食事時間は約90分確保できます。実働時間は短い(仕込み済み+オーブン任せ)が、食事時間は長く楽しめるコース仕立てに。作り手に余裕ができ、特別感も演出できます。
 
チーズフォンデュピンチョスローストチキングラタンブッシュドノエルのレシピはこちら
 
6人家族の場合
17:00 オーブンへ投入 マンモス肉2本+じゃがいも1kgをオーブンへ
17:10 前菜準備 ピンチョス組み立て、サラダ2種盛り付け
17:30 夕食スタート+炊飯器オン、前菜登場、ケーキ調理開始(※6)
18:00 メイン登場
18:30 デザート登場
当日の実働時間は約30分ですが、食事時間は約90分確保できます。炊飯器とオーブンに任せる放置調理で、作り手に余裕ができ、6人家族でもゆっくり楽しめるクリスマスディナーに。
 
ピンチョスリースサラダサラダツリー肉焼きオーブンポテトリンゴケーキのレシピはこちら
【調査結果5】「時短」35.6%、「予算を抑えて豪華に」29.9%
年末年始の料理で知りたいレシピ・困っていること(n=405、複数回答)※1を聞いたところ、「短時間で作れるクリスマス料理のレシピ」が35.6%で最多。次いで「予算を抑えても豪華に見えるクリスマス料理のレシピ」が29.9%。「クリスマス料理の残りを活用するレシピ」は5.7%でした。
自由記述では、予算を明記した声が多数見られました。「2人前で5000円以内のクリスマス料理」「家族6人5000円以内クリスマス簡単料理」「簡単で2000円以内低予算で作れるホールのクリスマスケーキ」「6人家族で、簡単・時短・見映えするクリスマスディナー」など、時短×予算×見た目の三拍子を求める声が顕著でした。
物価高でも平日でも忙しくても、料理を楽しみにする
この度の調査では、物価高や時間制約がある中で、共働き子育て世帯を中心に、時間を効率的に使いながら子どもが楽しみにしてくれるクリスマスを盛り上げようという気持ちが見える結果となりました。手作りケーキが前年比+5.8pt増加し25.6%に達したこと、2023年(週末クリスマス)から2024年(平日クリスマス)にかけてオーブン活用メニューの検索が最大+73.4%伸びたことは、限られた時間の中でも「特別な日」を演出したいという思いの表れです。
 
クックパッドには、数万を超えるクリスマスのレシピがあり、特に「家庭での再現のしやすさ」に重きを置いたレシピが多いことが特徴の一つです。オーブンを活用した時短レシピ、予算別レシピ、家族構成別レシピなど、多様なニーズに応えられる知恵が集まっています。
日々の物価高による予算の圧迫があっても、平日であっても、楽しみな食卓を用意する。クックパッドでは今後とも、皆様の知恵をシェアする場所として、そして「毎日の料理を楽しみにする」というミッションを大切にしてまいります。
【クックパッドについて】
クックパッド株式会社は「毎日の料理を楽しみにする」をミッションに掲げる、料理とテクノロジーの会社です。日本を含む世界67カ国・地域、26言語で展開する料理レシピ投稿・検索サービス「クックパッド」、料理のAIコーチングサービス「moment」、生鮮食品オンライン市場「クックパッドマート」などを運営しています。私たちは料理を通じて、ヒト、社会、地球の豊かな未来を目指します。
社名 : クックパッド株式会社 https://info.cookpad.com
本社所在地 : 〒153-0044 東京都目黒区大橋2-22-44
代表執行役:佐野 陽光(さの あきみつ)
資本金 : 50,000千円(2025年9月末)
設立年月日 : 1997年10月1日
従業員数 : 95人(2025年9月末 連結ベース)
主要事業 : 毎日の料理を楽しみにする事業
【調査概要】
調査対象: 普段料理を作る人
調査期間: 2025年11月
有効回答数: 541名
調査方法: インターネット調査
※1 クックパッド「物価高と年末の食費に関する実態調査」(2024年11月、n=541)
※2 「たべみる」について
・クックパッドの食の検索データサービス「たべみる
利用者数No.1の料理レシピサービス「クックパッド」の検索・アクセスログデータを活用した、明日の食が見えるビッグデータサービスです。食材・地域・季節・食用シーン(誕生日や運動会など)といった様々な切り口で分析を行えます。
・「たべみる」データご利用時は、以下クレジットのご掲載をお願いします。
・使用ツール:クックパッド 食の検索データサービス「たべみる」
・SI値:Search Indexの略で、1000回あたりの検索頻度です
・マッチ度:指定キーワードとの組み合わせ検索頻度を、100回あたりの割合で示す指標
※3 総務省「消費者物価指数」(2025年9月)
※4 TSRネット上場ビジネス・シティホテル「客室単価・稼働率」調査
※5 観光庁【インバウンド消費動向調査】「2025年7-9月期の調査結果(1次速報)の概要
※6 炊飯器調理について:取扱説明書に記載以外の調理法は、取扱いを誤ると中身が噴出する等の危険があり、やけどやけがをする恐れがございます。 安全のため、製品同梱の取扱説明書等に従って調理を行ってください。