― 高濃度域NT-proBNP測定で心不全の病状管理を強化、D-dimerは全血測定対応でPOCTの利便性を高める ―
 
大阪大学発スタートアップの株式会社イムノセンス(本社:大阪府吹田市、代表取締役:杉原 宏和)は、超小型免疫測定プラットフォームGLEIAを応用した高濃度域用の心不全マーカー検査キット「GLEIAチェック NT‑proBNP(H)」についてクラスII 体外診断用医薬品 製造販売認証(以下、薬事認証)を取得し、あわせて血栓症マーカー測定キット「GLEIAチェック D‑dimer」についてクラスII 体外診断用医薬品 製造販売認証事項の一部変更認証を取得しました。
 
これにより、病院・診療所・訪問診療といったポイントオブケア(POCT:その場・迅速検査)の場面で、心不全の連続的管理と血栓症等の迅速検査をいっそう実用的に支援します。また、将来的な「遠隔診断×自己測定」による在宅での心不全慢性期管理の実現への布石ともなります。
 
NT‑proBNPの臨床的意義
NT‑proBNP(N‑terminal pro‑B‑type natriuretic peptide)は、心室壁ストレスの上昇に反応して増加する循環器バイオマーカーで、心不全の診断補助、重症度評価、予後推定、治療経過の把握に広く用いられます。
 
NT‑proBNP(H) 薬事認証のポイント
今回薬事認証された「GLEIAチェック NT‑proBNP(H)」は、既に認証済みの低濃度域向け「GLEIAチェック NT‑proBNP(L)」と比べ、より高濃度のNT‑proBNPを測定できる製品です。測定レンジは500~16,000 pg/mLで、確定診断後の心不全患者の病状管理(増悪リスクの把握、治療反応の評価、退院後フォロー等)を主眼に最適化しました。一方、「GLEIAチェック NT‑proBNP(L)」の測定レンジは50~1,600 pg/mLで、心不全が疑われる患者の診断補助に適しています。L/Hの使い分けにより、心不全疑い例の評価から慢性期管理までを同一プラットフォームでシームレスにカバーできます。
 
なお、「GLEIAチェック NT‑proBNP(L)」は2025年10月にクラスII体外診断用医薬品の薬事認証(認証番号:307AAEZX00041000)を取得しています。
 
D‑dimerの臨床的意義
D‑dimerは架橋フィブリンの分解産物で、静脈血栓塞栓症(VTE)の除外診断、播種性血管内凝固症候群(DIC)の診断とモニタリング等に広く用いられています。
 
D‑dimer 一部変更認証のポイント
当社の「GLEIAチェック D‑dimer」は2025年3月にクラスII体外診断用医薬品として薬事認証(認証番号:307AAEZX00015000)されていますが、使用できる検体は血漿(血液から血球を取りのぞいた液体成分)に限定されていました。今回の一部変更認証により、遠心分離等の操作を加えない血液(全血)をそのまま測定できるようになり、前処理工程の削減で外来・救急・訪問診療などPOCT環境に適した迅速検査を実現することができます。
 
製品・認証の概要(まとめ)
製品名:GLEIAチェック NT‑proBNP(H)
― 認証番号:307AAEZX00048000
― 高濃度域まで測定可能(500~16,000 pg/mL)。
― 確定診断後の病状管理等を主眼に設計。
製品名:GLEIAチェック NT‑proBNP(L)
― 認証番号:307AAEZX00041000 
― 2025年10月 薬事認証
― 低濃度域(50~1,600 pg/mL)測定で、心不全疑いの診断補助等に適合。
― L/Hの2レンジ運用で心不全の連続的管理を実現。
製品名:GLEIAチェック D‑dimer(一部変更認証)
― 認証番号:307AAEZX00015000
― 2025年3月 薬事認証
― 採取血液を直接測定できるよう一部変更認証。POCTでの迅速性を強化。
 
イムノセンスは、NT‑proBNPの2レンジ体制とD‑dimerの全血対応により、POCTにおけるスピードと連続性をさらに高めます。「いつでも・どこでも・だれでも 医療グレードのヘルスチェック」の実現に向け、臨床現場の使いやすさに直結する改良を積み重ね、検査アクセスの刷新を加速して参ります。
 
会社概要
会社名:株式会社イムノセンス
所在地:大阪府吹田市岸部新町6番1号 国立研究開発法人国立循環器病研究センター
オープンイノベーションラボ 30602
設立:2018年1月
資本金:3,000万円
HPhttps://immunosens.com/
事業内容:体外診断用医薬品・測定機器の開発・製造・販売
 
お問い合わせ先
株式会社イムノセンス 広報担当
E-mail:immunosens●immunosens.com(●を@に変えてご使用ください)
 
参考:イムノセンスの独自技術「GLEIA」について
GLEIA(グライア:Gold-Linked Electrochemical Immunoassay:金結合電気化学免疫測定法)は、イムノセンス独自の全く新しい免疫検査技術です。当社創業者の国立大学法人大阪大学産業科学研究所特任教授(現) 民谷栄一氏によって開発されました。免疫反応と電気化学技術を組み合わせることで、手のひらサイズの超小型機器で体内のさまざまなバイオマーカーを検出することができます。その感度は1兆分の1グラムと、大型検査機並みの性能を実現しています。
 
重要な注意事項
 本資料は医療従事者向け情報を含みます。最終的な診断・治療は、医師の臨床判断および他の検査所見と併せて行われます。 製品の仕様・表示内容は、法規制・認証手続等により変更となる場合があります。

イムノセンスは、NT‑proBNPの2レンジ体制とD‑dimerの全血対応により、POCTにおけるスピードと連続性をさらに高めます。