| ― アルミダイカスト業界に次世代の検査手法を提示するソリューション ― |
| このたび、岡山県小田郡矢掛町において「株式会社 第七機械設計(The 7th Engineering Co., Ltd.)」を設立し、第一弾製品としてAI搭載の「全周囲」外観検査装置『IVI-360』を発表いたしましたので、下記のとおりご案内申し上げます。 | |||||||||
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| 【発表の概要】 | |||||||||
| 株式会社 第七機械設計(本社:岡山県小田郡矢掛町、代表取締役:片岡信也)は、アルミダイカスト製品向けにAI技術を活用した「全周囲」外観検査装置『IVI-360』を開発・発表しました。本装置は、従来人手による反転や吊り上げを伴っていた検査工程を、中央に開口を備えたリング状回転台とサーボモータ制御によって代替し、上面・側面に加え下面の撮像を可能とした点に新規性があります。 | |||||||||
| 従来の検査装置では、製品を支える部材とカメラが干渉し、回転時にカメラを退避させる必要がありました。IVI-360はこの問題を根本から解消し、反転操作や退避動作を不要とすることで、検査サイクル短縮と品質安定化を同時に実現しています。構造をシンプルに設計したことで初期設定も容易であり、中小規模工場を含む幅広い製造現場に対応できる汎用性を備えています。 | |||||||||
| さらに、交換式リング補助具による多品種対応や、検査結果を直接ペンでマーキングできる機能を搭載し、現場作業に馴染みやすい実用性を追求しました。また、装置全体の消費電力やAI処理による電力量を記録・管理でき、省エネ施策や補助金制度の活用にも対応できる構成としています。 | |||||||||
| 当社は今後も、アルミダイカスト業界における効率化と品質向上を実現するソリューション提供を続けてまいります。 | |||||||||
| なお、当社は株式会社 共和鋳造所 代表取締役 飯居龍弘氏の支援と助言を受けて、片岡信也が発起人となり設立いたしました。同社との間に資本関係はございません。 | |||||||||
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| 【会社概要】 | |||||||||
| 商号:株式会社 第七機械設計(The 7th Engineering Co., Ltd.) | |||||||||
| 設立日:2025年4月18日 | |||||||||
| 所在地:岡山県小田郡矢掛町 | |||||||||
| 代表取締役:片岡 信也 | |||||||||
| 取締役名誉会長:飯居 龍弘(株式会社 共和鋳造所 代表取締役社長) | |||||||||
| 資本金:5,000,000円 | |||||||||
| 連絡先:info@7th-eng.com | |||||||||
| 【設立の背景】 | |||||||||
| 代表取締役の片岡は海外ダイカスト工場長としての経験から、熟練検査員に依存していた外観検査工程の自動化ニーズに着目。AI技術の進展を受け、誰もが使える画像検査装置の普及を目指し、本事業を開始いたしました。 | |||||||||
| 【事業内容】 | |||||||||
| アルミダイカスト製品向けAI外観検査装置の開発 | |||||||||
| 産業機械設計コンサルティング | |||||||||
| 知的財産ライセンス管理 | |||||||||
| 【知的財産の状況】 | |||||||||
| 特許取得済:「外観検査装置」 | |||||||||
| 登録商標:「IVI-360」等 | |||||||||
| 登録意匠:「ロボットアームのエンドエフェクタ」等 | |||||||||
| その他:国内出願を基礎としたPCT国際出願を行い、優先権を確保しています。 | |||||||||
| 【沿革】 | |||||||||
| ~2024年 外観検査装置の基礎研究 | |||||||||
| 2025年4月 同装置について特許出願、意匠登録出願 | |||||||||
| 2025年4月 株式会社 第七機械設計 設立 | |||||||||
| 2025年6月 「IVI-360」が商標登録される | |||||||||
| 2025年9月 「ロボットアームのエンドエフェクタ」が意匠登録される | |||||||||
| 2025年9月 「外観検査装置」が特許登録される | |||||||||
| 2025年11月 日本・タイ両市場での販売店契約調整、販売準備を進行中 | |||||||||
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| 【製品発表:IVI-360 における構造上の工夫】 | |||||||||
| 1. 背景と課題意識 | |||||||||
| 品質管理の基本は「不良を作らないこと」にあります。しかし、コストや納期の制約から、すべてを源流で解決することは現実的に困難であり、現場では依然として「流出防止」としての検査が求められています。 | |||||||||
| 人による外観検査の分野では、欠陥の発生頻度が低いほど見逃しが増える Low Prevalence Effect(低発生率効果) や、検出すべき欠陥の種類が多いほど精度が低下する、といった課題が指摘されています。さらに、検査員の経験や訓練の差に加え、職場環境や製造部門・顧客品質部門からの要求が重なることで、検査結果にはばらつきが生じやすいのが実情です。これらの課題はダイカスト外観検査の現場にも当てはまり、AIベースの自動外観検査を導入する強い動機となります。 | |||||||||
| ところで、エンジン部品やEV関連部品に多用される複雑なダイカスト製品は、検査対象箇所が非常に多く、製品の全周囲にわたることがほとんどです。システムアプローチの観点から見れば、自動外観検査における手作業での製品反転は作業ミスの起こりやすい工程です。熟練した作業者であっても、NG品を誤って再投入したり、置き方を誤ったりすることは避けられません。 | |||||||||
| しかし、下面側までを含めて一貫して撮像するのは従来困難であり、そのため被検査物を吊り上げる、あるいは大型ロボットアームで反転させるといった高コストなハンドリングが必要とされてきました。 | |||||||||
| 2. 装置の特徴 | |||||||||
| IVI-360は、こうした課題を解決するためにシンプルな解決策を提示します。 | |||||||||
| 本装置の中核は、テーブル中央に開口部を備えたリング状の回転台です。サーボモータによる精密制御で被検査物を滑らかに回転させ、上面・側面に加え、従来は困難だった下面からの撮像も可能にしました。これにより、大型ロボットによる反転や吊り上げが不要となり、シンプルな仕組みで全周囲をカバーできます。 | |||||||||
| 製品は交換可能なリング状の補助具を介して取り付ける構造になっており、複数機種に柔軟に対応できます。そのため稼働率を高く保つことができ、中小規模の工場でも導入障壁が低い点が特徴です。 | |||||||||
| 取得した画像はAIが解析し、欠陥の有無を自動判定します。過去の検査データを学習したAIにより、検査員の経験差や集中力の揺らぎに左右されず、安定した判断で見逃しや過検出のリスクを大幅に抑制します。 | |||||||||
| さらに、良品・不良品の判定結果を2色のペンで直接製品にマーキングできる仕組みを搭載しました。現場に古くから馴染んだ方法を踏襲しており、レーザーマーキングなどに比べ低コストでの運用が可能です。 | |||||||||
| また本装置では、製品の上面・側面・下面を1台のカメラとロボットで一貫して撮像できるため、初期設定が非常に簡単です。カメラや製品の姿勢を増やすほど装置コストは上昇し、初期設定も複雑化しますが、本装置はその問題を回避しています。 | |||||||||
| 3. 導入実績と展望 | |||||||||
| 試験導入では、以下の成果が得られています。 | |||||||||
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| 将来的には、ヒューマノイドロボットと接続することで、投入から検査までの全自動化が容易になります。IVI-360の「反転不要・構造がシンプル」という特長は、ロボットハンドリングとの高い親和性を持ちます。 | |||||||||
| 4. 結びに | |||||||||
| 「IVI-360」という名称には、本装置の技術コンセプトと特長が端的に表現されています。「IVI」は Intelligent Vision Inspection の略で、AIによる画像検査を意味します。「360」は、製品を反転させることなく、L字型のカメラと回転ステージを組み合わせて360度全周囲から撮像できるという最大の特長を象徴しています。 | |||||||||
| IVI-360は、現場の制約やコスト構造に即した実用性を備えています。最大の特徴は、システムアプローチの観点から「手作業で製品を持ち上げさせない」ことと、「初期設定を複雑化させない」ことを両立している点です。低コストな初期設定で、幅広い工場規模で「安定稼働と容易な運用」を実現する実用的な解決策です。 | |||||||||
| さらに、装置全体の消費電力や、AIによる演算処理に伴う電力量を記録・管理する機能を備えており、運用にかかるエネルギーコストを正確に把握することが可能です。本装置は、今後各国で進展が見込まれるCO2排出削減への取り組みや、省エネ設備導入、AI・DX推進、省人化対応などに関する補助金や優遇制度の活用に対応する構成としています。 | |||||||||
| なお、本装置に関する技術は、特許によって保護されています。 | |||||||||
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