AIの専門家 窪田望が見た『AIの進化の影で無自覚に進むマイノリティの排斥』とは。本作は4つの国際映画祭・国際アートアワードで受賞しました
現代美術家 窪田望が監督したドキュメンタリー作品『AIが消し去る声』が第14回 Delhi Shorts International Film Festival(DSIFF)にて、BEST DOCUMENTARYを受賞しました。本作は、「AI社会の背後にある分類の暴力性」を、生まれつき5本指ではなく暮らす裂手症の当事者やご家族、医療従事者の方々への取材映像をもとに浮かび上がらせる作品です。本作品が評価されたことにより、この問いがより広範な国際的対話へと拡張していくことを期待しています。
 
■Delhi Shorts International Film Festival(DSIFF)について
インド・ニューデリーを拠点に毎年開催される「Delhi Shorts International Film Festival(DSIFF)」は、2012年の創設以来、世界中からショートフィルム、ドキュメンタリー、アニメーション、ミュージックビデオを募集し、短編映画文化の振興を目的に展開されています。コマーシャル映画が主流のインド映画界において、ショート/ドキュメンタリー作品に特化した貴重なプラットフォームとして知られ、過去の開催では「Best Documentary」や「Best Short Film」など多彩な部門での受賞を通じて、若手・新進作家の国際的な注目を集めてきました。会期中には上映に加えて、フィルムマーケット、パネルディスカッション、ネットワーキング機会も設けられ、映画制作の技術・表現両面での学びと交流を促進しています。
 
▼第14回 Delhi Shorts International Film Festival 受賞作品一覧はこちら
https://miniboxoffice.com/uploads/selection_result/1762265837_Result.pdf
 
 
■ドキュメンタリー作品『AIが消し去る声』について
生成AIの現場ではよく5本指にならないトピックスが話題になります。エンジニアは、5本指にならない指を5本指にするために大量のGPUや電気代を使ったりしますが、果たしてその行為はただのエラー修正、と記述して良いものなのか?「そこには排斥されているマイノリティの暮らしがあるのではないか。」窪田はそう考え、生まれつき5本指ではなく暮らす裂手症の当事者やご家族、医療従事者の方々に話を伺い、ドキュメンタリー形式の映像作品を制作しました。
 
出演(敬称略)
浅原ゆき(NPO法人Hand&Foot)
大塚悠(NPO法人Hand&Foot)
川端秀彦(南大阪小児リハビリテーション病院 院長)
すらいむ(インフルエンサー、起業家)
 
映像制作
黒川雄斗、黒川みなみ
 
 
■4つの国際映画祭・国際アートアワードで受賞させていただきました
今回の受賞で、『AIが消し去る声』は国際映画祭・国際アートアワードで4つめの受賞となります。
 
・アメリカ ハリウッド Hollywood Stage Script Film Competition2025にて
「BEST SHORT DOCUMENTARY」受賞
 
・アメリカ ニューヨーク ICP Entertainment Film Festival2025にて
「BEST HUMANITY FILM」受賞
 
・タイ・日本 CENRETA ART AWARD 2025にて
「最優秀賞」受賞
 
・インド 第14回 Delhi Shorts International Film Festivalにて
「BEST DOCUMENTARY」受賞
 
■現代美術家 窪田望の活動について
コンセプト『外れ値の咆哮』
AIの社会実装事業を推進する企業の経営者としての顔を持ち、国内外に20のAI特許を持つ窪田は、これまでデータ解析やAI 技術を20年来研究してきました。AI開発の現場では入力するデータに異質なデータが混じると良い出力精度が出なくなることがあり、これを外れ値と呼び、通常はこれを排除します。窪田は「社会的マイノリティーなどの生活は無視されて良いはずはないのに、進化の過程で見落とされている」とこれらの実態に疑問を感じました。作品制作を通じて、社会の中で不要とされてきた外れ値の価値を再評価し、本質的価値を浮き上がらせるような表現を追求していこうとしています。
窪田 望
現代美術家 窪田望公式サイト
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