クラフトの未来へ──Atelier TUFFERYと“ともに作る”ということ
創業者セレスタン・テュフリーさんとご家族
京都発ファッションブランド「TOKIARI(トキアリ)」(京都市下京区寺町通四条下ル貞安前之町605番地 藤井大丸4F)が、フランス最古のデニムメーカー「Atelier TUFFERY (アトリエ・テュフリー)」とのコラボレーションを発表しました。
 
伝統と持続可能性をテーマにしたコラボレーションプロジェクトです。
この協業は、単なる製品開発に留まらず、遠く離れた二つの文化圏に根差すものづくりの哲学の共鳴により生まれた、新たな価値を創造するプロジェクトでもあります。
 
この記念すべきプロジェクトを祝し、アトリエ・テュフリーの第4代目オーナー夫妻がフランスから京都に来日します。
 
2025年10月15日には、京都・時在服飾設計にてコラボレーションデニムの発表とポップアップショップ、そしてオーナー夫妻によるトークショーを開催いたします。
 
Atelier TUFFERY デニムに宿る記憶と歴史
創業と継承:デニムの源流をたどる
 
アトリエ・テュフリーは、1892年に創業者セレスタン・テュフリーがフランス南部の村フロラックで仕立て屋を始めたことから始まります。
創業者セレスタン・テュフリーさん
フロラックの雄大な自然
 
創業当時、デニムはまだファッションのアイテムではなく、働く人々のための頑丈な「道具」でした。アトリエ・テュフリーが拠点を置くフロラックから約20km離れた鉱山の町アレス(Ales)で働く人々のために、動きやすさと丈夫さを兼ね備えた作業着を仕立てていました。
鉱山で働く人たちの仕事風景
 
地域との共生:クラフトマンシップを守る選択
 
アトリエ・テュフリーの哲学は、単に古い歴史を持つことだけではありません。
創業者が受け継いできた「地元の人たちと一緒に成長していこう」という精神は、経営のあらゆる側面に深く根差しています。
多くの製造業者がコスト削減を理由に海外生産へと拠点を移した時代も、アトリエ・テュフリーはフロラックでつくる「フランス製」にこだわり続けました。
この選択は、職人たちの技術を継承すると同時に、地域に暮らす人々の生活と雇用を守るという信念に基づいています。
 
フロラック村のアトリエ・テュフリーのスタッフさんたち
 
この取り組みは、フランス政府からも高く評価され、アトリエ・テュフリーは「EPV(Entreprise du patrimoine vivant)」(「生きた文化遺産企業」)として認定されています。
この認定制度は、伝統的な手仕事や希少な技術を継承しながら、現代に適合した形で企業活動を行うブランドや工房に対して与えられるものです。
 
現代に息づくサステナビリティと誠実なものづくり
循環と廃棄ゼロへの挑戦
 
現代のサステナビリティは、もはや流行語ではなく、企業の本質的な責任となっています。
アトリエ・テュフリーは、その企業活動全体を通じて、この責任を徹底して果たしています。
製造過程で生じる裁断くずや糸くずは、全て定期的に回収され、建築資材に加工する工場へ運ばれます。この仕組みにより、製造過程で発生するゴミはほとんどゼロに抑えられています。
 
 
パターンを背景に生地をカット
さらに、アトリエ・テュフリーで生産されるデニムは、一般的な同重量のグローバル生産デニムと比較して、二酸化炭素(CO2)および温室効果ガスの排出量が3分の1であることが証明されています。
また、同社は顧客が履かなくなった古着の回収・再販や、傷んだ製品の修理サービスも行っており、新品を買うよりも、古いものを修理してください」と顧客に伝えています。
 
職人、そして人としての尊重
 
アトリエ・テュフリーのサステナビリティは、環境に配慮するだけでなく、働く人々、すなわち職人たちへの深い敬意と尊重によって支えられています。
製造に携わる全てのスタッフは正社員として雇用され、14ヶ月間の徹底した自社研修を通じて、デニム製造の全工程を縫える「マルチスキル」を持つ職人へと成長します 。
 
職人たちの身体的負担を軽減するため、アトリエ・テュフリーでは1時間ごとに作業内容を変え、移動することで同じ体勢を続けないような仕組みが導入されています。
この環境は職人たちが心身ともに健やかに働き続けられるように配慮された結果であり、結果として誰もが全工程を担えるため、急な休みが出ても作業が滞ることがなくスタッフは交代でバカンスを取得できます。
 
アトリエでは、みんながリラックスして笑顔
また、同社の採用は、履歴書や学歴を一切問わず、「手と手」で向き合うことを重視しています 。これは、職人技への深い敬意と、個々の人間性を尊重する哲学を体現しており、職人たちが誇りとやりがいを持ってものづくりに取り組める環境を醸成しています。
 
日仏の精神が織りなす、唯一無二のコラボレーション
裂織(さきおり):日本の伝統とTOKIARIの想い
 
今回のコラボレーションの核心にあるのが、日本の伝統工芸である「裂織(さきおり)」です。
TOKIARIは、岩手県の裂織工房「幸呼来Japan」と協業し、制作の過程で出る余り布を再利用した裂織をコレクションに取り入れる試みを始めていました。
裂織は、古くから東北地方で「貴重な布を最後まで大切にする」という生活文化の中から生まれたものです。
 
この日本の精神性は、アトリエ・テュフリーの廃棄物をゼロに近づける徹底した取り組みや、顧客の古着を回収・再利用する姿勢と深く共鳴しました。
TOKIARIのデザイナー・中村から日本の裂織文化について詳しく聞いたアトリエ・テュフリーのオーナー夫妻も、「それはとても素晴らしいですね!」と感動していただき、共通の価値観によって結ばれました。
 
肘あて部分:前期の残布から制作した裂織を使用
 
哲学が宿るデザイン:ポケットに秘められたストーリー
 
このコラボレーションの象徴となるのは、アトリエ・テュフリーのバックポケットに施されたユニークなデザインです。
アトリエ・テュフリーのバックポケットは、実は上下に分割されているという特徴を持っています。
このデザインは、創業時のワークウェアとしての機能性に由来しており、工具などを入れて傷ついたポケットの下の部分だけを簡単に修理できるように工夫されたものです。
 
傷んだ下の部分だけリペアできるようにデザインされたバックポケット
 
今回のコラボレーションのアイデアの源泉となりました。ワークウェアの「修理」という実用的な機能に、「布を再利用する」という裂織りの哲学を融合させるという着想が生まれたのです。
二つのブランドが持つ「ものを長く大切に使う」という共通の精神を具現化する、運命的なデザインとなりました。
コラボレーションデニムでは、このポケットの下の部分にTOKIARIの余り布から作られた裂織が配され、ワークウェアの歴史と日本の伝統が融合した唯一無二の製品が誕生しました。
 
 
TUFFERY×TOKIARI コラボレーションデニム Ver2.0.0
 
<トークショウ>
アトリエ・テュフリーの哲学 -ものづくりへの想いと未来-
四代目オーナー、ミリアムさん (左) とジュリアンさん (右) 
ゲスト アトリエ・テュフリー
    四代目オーナー、ジュアリアン&ミリアム
聞き手 TOKIARI デザイナー 中村
通訳  アトリエ・テュフェリー広報 大和田

日時 10月15日水曜日 13:00-13:30
場所 京都府京都市下京区貞安前之町605
   京都藤井大丸 4階 
   時在服飾設計
 
関連記事)
https://tokiari.com/project/7522/
 
 
<ポップアップ>
Atelier TUFFERYのデニムをはじめ、TOKAIRIとのコラボレーションの裂織デニム、エプロン、バッグ、キャップ、ラグなどが並びます。
 
日時 10月15日水曜日~
場所 京都藤井大丸 4階 
   時在服飾設計
 
 
 
 
Atelier TUFFERY
アトリエ・テュフリーの定番モデル、セレスタン
Celestin
Alphonse
Augusta
フロラックと共に歩む アトリエ・テュフリー
https://www.ateliertuffery.com/ja
 
 
「TOKIARI」ブランドについて
https://tokiari.com/
 
ZEAMI コート ジビエレザーを使用
VALKYRIE ブルゾン ジビエレザー、裂織を使用
TOKIARIでは、衣服のデザインとシルエットに日本的な美意識を取り入れ、独自の作品を制作しています。
ブランドコンセプトとして、表情豊かな天然素材にこだわり、細部に至るまで職人技を活かしています。 生地には独特の風合いを持つ天然素材を採用し、縫製も細やかな運針で丁寧に仕上げています。 シルエットは着物にインスパイアされ、ミニマルなディテールや落ち着いた色合いが、日本の侘び寂びの美意識を体現しています。
京都の百貨店(藤井大丸)店内にはミシンやアイロンも持ち込み、実際に店内のアトリエスペースで制作も行っています。
 
TOKIARIロゴ
店内のミシン
<コンセプト>
時に在る衣服「タイムレス・クローゼット」
「TOKIARI」は、人生における相反する出来事を白と黒で表現し、普遍的な服を作ることを主題としています。
私たちの服作りにおける創造的な姿勢は、既存の形から脱構築し、磨き上げて普遍的な服を作り出すことです。
時代に流されず、時に在る衣服、タイムレス・クローゼット。この服と共に、人生の悲喜交々の瞬間を歩んでほしいと願いながら制作しています。
 
<イメージ>
日常と非日常。現実とのずれにより生まれる幻想。
身体と観念の摩擦によって生まれる静かな気配を掬い出す。
重なり合う布、あなたの身体の表層に夢を描き出す。
あなたを隠す衣服は、あなたをより浮かび上がらせる。
騙し絵のルビンの壺のように。
TOKIARI デザイナー
ドローイング中の中村
中村 憲一 Kenichi Nakamura
令和4年1月より、自身のブランド「TOKIARI」を立ち上げる。30年のアパレルキャリア、パリコレクション のバイヤーとして10年。JAN-JAN VAN ESSE(アントワープ)ZIGGY CHEN(上海)を日本に初めて紹介したバイヤー。数多くブランドを見てきた経 験、売場でのお客様の声を踏まえた洋服作りをしている。
時在服飾設計
直営店舗(セレクトショップ)
時在服飾設計 
〒600-8031 京都府京都市下京区貞安前之町605 藤井大丸4階
【営業時間】
10:30 - 20:00
 
時在服飾設計 ONLINE(ECサイト)
https://shop.tokiari.com/
 
【BRAND LINEUP】
TOKIARI / 京都 / 服
律動 / 京都 / シルバーアクセサリー
零 / 京都 / レザーアクセサリー
yahae / 奈良 / ソックス
CIRO/ ドイツ / 香水
asics / 日本 / シューズ
 
取扱店
https://tokiari.com/stockist/
神奈川 Euphonica
静岡 haka
愛知 THE TRUNK BY OBOIST (別注品のみ)
ベルギー ATELIER SOLARSHOP
 
運営SNS
Instgram
https://www.instagram.com/tokiari_shop/
 
X
https://x.com/TOKIARI_shop
 
 
本件および卸売りに関するお問い合わせ先
 
合同会社時在服飾設計 担当:高橋輝
電話 :090-9327-7866
メールアドレス:info@tokiari.com
問い合わせフォーム:
https://tokiari.com/contact