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ヘリテージクラフト(伝統工芸)を現代アートの形で継承・進化させることを使命とする高級メゾン 「KANDOBLANC(カンドブランク)」 は、2025年10月に開催される「サザビーズ × Distillers One of One Auction 2025」に、新作《Dragon in Clouds》を出品いたします。本作は、哲学的な意匠を通じて感性に深く呼びかける旅路「YUKARI」の第一作となります。 |
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ブランドと創設者について |
「KANDOBLANC」は、2023年にアーティスティック・ディレクター ダヴァル・ガンジーによって創設された高級メゾンです。ガンジーはスコットランド在住のクリエイティブ・ヴィジョナリーで、ザ・マッカランをはじめとする蒸留所での経験を経て独自の美学を培い、日本文化の哲学と美意識に深く共鳴してきました。彼はウイスキーを文化表現の媒体として昇華し、工芸と物語性を融合させた独自の作品世界を築いています。希少なウイスキーを核に、精緻に仕立てられた現代の継承品(contemporary heirlooms)を創出することで、美術工芸の新たな領域を切り拓いています。 |
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2023年にサザビーズで発表されたブランドのデビュー作《AGA》は、ヴェネチアのムラーノガラスと日本の金継ぎを融合した一点物で、二つの世界記録を樹立。国際的なデザイン・工芸コミュニティに鮮烈な印象を残しました。 |
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KANDOBLANCの哲学は「文化的キュレーション」です。伝統的な技と現代的表現を橋渡しし、「感動(kandō)」という日本語の概念――静かな美が心を動かす力――を核に据えています。 |
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この理念について、ガンジーは次のように語ります。 |
「KANDOBLANCは白いキャンバスのような存在です。そこに自由に描き、結び、創造することができる。その型のなさが挑戦的であり、同時に何よりも刺激的なのです。私たちの仕事は、時を超えて語りかける唯一無二のオブジェを創り出すこと。伝統的な熟練と現代の視座を橋渡しする営みです。」 |
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《Dragon in Clouds》について |
今回出品する《Dragon in Clouds》は、日本の精緻な手仕事とイタリアのガラス芸術の粋が結集した比類なき作品です。KANDOBLANCはアーティスティック・ディレクター ダヴァル・ガンジーの指揮のもと、輪島の漆芸職人集団「彦十蒔絵」と、千年以上の歴史を誇るガラス芸術の聖地ムラーノ島の名窯ヴェニーニ(VENINI)それぞれと協働し、二年に及ぶ創作を経て完成させました。 |
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この作品の中心には、60年の歳月を経て熟成されたシングルモルト・スコッチウイスキーが収められています。優美さと静かな複雑さをたたえたこの希少な存在と、幾重にも重ねられた工芸的表現とが結び合い、《Dragon in Clouds》という真に唯一無二の作品を形づくっています。 |
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作品の基盤を成すのは、ヴェニーニが手がけたマグナムサイズのガラス器です。繊細な彫り模様を刻む「インチーゾ(Inciso)」と、槌目のような凹凸を施す「バットゥート(Battuto)」という二つの技法を組み合わせ、透明と不透明という相反する質感を響き合わせています。差し込む光は内部で舞い踊るように広がり、まさに光と影の交響を生み出します。器形は日本陶芸の美意識に着想を得ており、動と静を兼ね備えた流麗な輪郭は、天と地を自在に往来する龍の神話的な存在を思わせます。 |
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作品の上部を装うのは、日本の漆芸の最高峰である研出蒔絵(とぎだしまきえ)です。漆は時を重ねるごとに深みを増す“呼吸する肌”であり、南宋時代の画家・陳容の龍図に着想を得た姿を、漆の奥底から浮かび上がるかのように、幾度にもわたり金粉を撒き、丹念に研ぎ出すことで表現しています。この技法は一層ごとに物語性を深めながらも、日本美学の根幹である「抑制」の精神を映しています。 |
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さらにその内側には、保存性と永続性に優れた陶製の芯が隠されています。世代を超えて形を保つこの“見えない基盤”は、文化の記憶を護る存在として、KANDOBLANCの理念を体現しています。そして、貴金属で鍛造された特製の円盤が、構成の中に静謐な中心を形づくります。それは機能的要素であると同時に、作品全体の精神性を支える象徴的な重心でもあります。 |
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ガンジーはこう結びます。 「《Dragon in Clouds》は感情を宿す作品です。真の美は人の心を動かす静かな力=感動を呼び覚ますものであるという私たちの信念を映しています。Distillers’ Charityへの出品を通じ、伝統技術を守り祝福するという使命を体現しています。」 |
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文化的サステナビリティの実践 |
《Dragon in Clouds》は、造形美を超え、文化的サステナビリティへのKANDOBLANCの揺るぎない姿勢を示すものでもあります。名匠との持続可能な創作機会を育むことで、古来の技は単なる存続にとどまらず、進化を続ける未来へと受け継がれていきます。 |
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今日の顧客やコレクターに真に求められているのは、文化的な物語と感情の深みを湛えた作品です。《Dragon in Clouds》は、美術工芸が文化の守り手となり得ることを示す存在であり、過去と未来、東洋と西洋、伝統と革新をつなぐ橋となります。 |
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また、この発表をもって始動するのが、感性に深く呼びかける旅路「YUKARI」です。日本の美学をコレクタブルデザイン(Collectable Design)という枠組みを通して探求するこのプロジェクトでは、今後さらに日本文化の象徴を題材とした一点物の創作が続き、それぞれが「伝統と革新の交錯」というKANDOBLANCのビジョンを、異なる角度から追求していきます。 |
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なお、「サザビーズ × Distillers One of One Auction 2025」は、2025年10月10日(金)に開催され、収益はすべて「Distillers’ Charity」の活動に充てられます。 |
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ダヴァル・ガンジーについて スコットランド在住のクリエイティブ・ヴィジョナリー。幼少期から鋭敏な感覚を持ち、香りや空間の記憶を通じて世界を捉えてきました。蒸留学の修士号を取得後、ザ・マッカランやレイクス蒸留所で経験を重ね、ウイスキーづくりに美学・物語性・感覚的デザインを融合させる独自の哲学を展開。2023年、「KANDOBLANC」を創設し、日本語の「感動(kandō)」を創作の核としています。 |
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KANDOBLANCについて KANDOBLANCは、アートと文化を結び、世界に類を見ない一点物のアートピースを生み出すビジョナリーメゾンです。創業者ダヴァル・ガンジーが深い共鳴を覚えた日本文化の精神を核に、ヘリテージクラフトを尊重しつつ現代に再解釈しています。作品は「生きた美術館」として文化の持続可能性を体現し、過去と未来、美と哲学をつなぐ遺産を築いています。https://kandoblanc.com
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