|
|
多くの人に愛される信州りんごの栽培現場が今、地球温暖化による異常気象の脅威にさらされています。強すぎる日差しによる果実の日焼けや着色不良、病気―。長野県内のりんご農家は「りんごの表面温度が50℃近くになることもある」と頭を抱えます。 |
信濃毎日新聞社は、信州りんごが直面している困難を多くの人に知ってもらい、一人ひとりの環境保護意識を高めるとともに、環境に配慮した果樹栽培を広げていくため、県内のりんご農家や福祉事業所とともにクラウドファンディングを立ち上げ、22日から寄付の受付を開始しました。 |
|
|
|
|
|
■実施の背景 |
|
地球温暖化による異常気象は、信州の特産品でもあるりんごにもさまざまな影響を及ぼしており、寒暖差が少なくなることで色づきが悪くなる、強すぎる日差しで日焼けするといった現象が起きています。開花が早まると、その後の霜で花がダメージを受けるリスクも高まります。2019年の台風19号では千曲川が氾濫し、りんご産地も泥に浸かるという痛ましい災害もありました。 |
|
|
|
(左)りんごの実の日焼けや着色不良が深刻になっている。(2024年10月5日付信濃毎日新聞朝刊) (右)さらに昨年は、日焼けで傷んだ実が一気に雨を吸うことで実が割れるとみられる「胴割れ」という現象も発生した。(2024年12月10日付信濃毎日新聞朝刊) |
|
|
異常気象による農作物への影響は多岐に及び、連日のように報道されていますが、りんごは品種によっては約半年間も木に実り続けるため、ひときわ影響を受けやすい果樹と言えます。 |
そんな信州りんごの栽培環境を守るためにも、二酸化炭素の排出を減らし、地球温暖化に少しでも歯止めをかけたい―。そこで、信毎日新聞社は地元のりんご農家や福祉事業所と協力し、長野県内のりんご園にバイオ炭栽培を広げていくため、クラウドファンディングに挑戦することになりました。 |
|
■クラウドファンディングで目指すこと |
|
私たちの目標は、切った枝を炭にする装置「無煙炭化器」をバイオ炭作りに協力いただける10カ所の福祉事業所に寄贈することです。そして、各事業所が地元のりんご農家から枝を集め、それをバイオ炭にすることで“地域で出た枝に二酸化炭素を閉じ込め、地域の農地に戻す”という、循環の輪(アップるサイクル)を作ることを目指します。 |
|
|
|
りんごの枝でつくったバイオ炭 |
|
|
|
|
炭化器でバイオ炭をつくる様子 |
|
|
|
|
寄贈する無煙炭化器 |
|
|
|
りんご農家は冬の間、次のシーズンの栽培を見据えて枝を切り落とすため、毎年多くの剪定枝が発生しますが、燃やして処分するのが一般的です。しかし、バイオ炭を普及させることで、二酸化炭素の排出を抑えることができます。 |
地元の福祉事業所の利用者の協力によって、りんご農家の負担を抑えながら二酸化炭素の排出削減につなげることができる、持続可能な枠組みだと考えています。 |
「りんごが実る」という当たり前のことをずっと未来につないでいくために、温かいご支援をお願いいたします。 |
|
■炭素を地中に閉じ込められる「バイオ炭」 |
バイオ炭は木や竹、もみ殻などの生物資源を炭にしたもの。りんごの枝を炭にすると約77%もの炭素を閉じ込めることができます。さらに地中に埋めることで、100年後でも約65%の炭素を閉じ込めることができると言われています。近年、土壌改良効果もあることが分かってきました。 |
|
|
|
 |
|
■「りんごと脱炭素社会」プロジェクトについて |
|
信濃毎日新聞社は2024年度より、環境保護プロジェクト「りんごと脱炭素社会 Go!ゼロカーボン!」を発足し、主に弊紙読者のみなさんと一緒に地球温暖化の抑止について考え、行動していく取り組みを開始。「自分にできる脱炭素につながる行動=ワンアクション」を募集したほか、イベントやりんごの販売会を通じて、環境問題を考える機会をつくってきました。 |
|
|
|
|
|
|
信濃毎日新聞社 |
|
マーケティング局企画戦略部 「りんごと脱炭素社会~Go! ゼロカーボン!~」事務局 TEL 026-236-3355(平日9:00~17:00) Mail kikaku@shinmai.co.jp |
|
|