国内外から蒐集した約200点の逸品を通じて日本の伝統・技術と西洋文化が融合した横浜の歴史や文化を紹介
幕末の開港によって、横浜は東西の文化が往来する窓口となりました。西洋の文化や技術が日本に伝わり、日本の文化や伝統技術が海外に発信されました。さらに両者の衝突と融合によって、新たな文化が育まれました。「ランデブー」という言葉には「艦隊の集結地点」という意味もあります。横浜は東西の文化という艦隊が集結・対峙した場所と言えます。世界を驚嘆させた眞葛焼、和洋折衷様式の横浜彫刻家具、西洋と日本の技術が融合した横浜写真。これらの品々からは、激動の時代の中で、必死に生きようとした人びとの息づかいが伝わってきます。
 
横浜で生まれ育った実業家の山本博士氏は、郷土横浜を深く愛し、その文化や歴史を伝える様々な文物を国内外から蒐集されています。コレクションは眞葛焼、横浜写真、横浜彫刻家具、洋楽器など、1000点を優に超えます。今回はその中から約200点の逸品を紹介します。西洋と東洋が出会った街、横浜。そこで生み出された特色ある品々で充たされた空間に身を置いた時、私たちは何を感じ取るのでしょうか。
展覧会基本情報
会 期:2025年10月11日(土)~ 2026年1月12日(月・祝)
開館時間:9:30~17:00 券売は16:30まで
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は開館し、翌平日が休館)、年末年始(12月28日~1月3日)
観覧料:一般800円、横浜市内65歳以上・小中学生400円
11月15日(土)・16日(日)は第5回横浜スタチュー・ミュージアムのため、観覧無料
主 催:横浜ユーラシア文化館(公益財団法人横浜市ふるさと歴史財団)
共 催:横浜市教育委員会
特別協力:山本博士 (株)三陽物産 横浜モンテローザ 宮川香山 眞葛ミュージアム
後 援:朝日新聞横浜総局、神奈川新聞社、産経新聞社横浜総局、東京新聞横浜支局、毎日新聞社横浜支局、読売新聞横浜支局、FMヨコハマ、tvk
主な展示資料と見どころ
山本博士氏
1. 実業家 山本博士氏収集の横浜コレクションから200点を公開
〇山本博士氏プロフィール
老舗洋菓子店「横浜モンテローザ」を経営する(株)三陽物産 代表取締役。“お菓子を通じて横浜の歴史・文化を継承する”をスローガンに、地域貢献活動として宮川香山 眞葛ミュージアムの運営や山手西洋館(山手133番館)の保存活動を展開するとともに、神奈川台場地域活性化推進協会 理事長もつとめる。横浜生まれ。横浜市立大学 大学院修士課程修了。公私にわたり横浜の歴史・文化の継承に尽力している。
2. 世界を魅了した眞葛焼、約50点を紹介
明治期の横浜では欧米向けの陶磁器などを扱う商人や職人たちが集まり、輸出産業として成長した。その中の泰斗が世界を魅了した陶磁器、眞葛焼を生み出した初代宮川香山。初期の作風は、器に立体的で精緻な花鳥などの細工を施した高浮彫りである。
高浮彫り「高浮蓮ニ水禽大花瓶(一対の内)」初代宮川香山 1876年頃~1882年頃 (株)三陽物産(宮川香山 眞葛ミュージアム)所蔵
彩色写真「横浜海岸通り」 1895年頃 山本博士氏所蔵
3. 横浜写真 ―世界に伝えられた横浜の風景―
明治期に横浜を訪れた西洋人は、美しく彩色された日本の風景・風俗写真に目を奪われた。西洋伝来の写真技術と、日本の伝統技術である絵付け・蒔絵などが結びついて花開いたのが、「横浜写真」である。そこから当時の横浜の街と人びとの姿がよみがえる。
4. イギリスから里帰りした横浜彫刻家具
明治中期から昭和初期にかけて、横浜では欧米人向けの装飾性の高い木彫り家具が製作され、「ヨコハマ・ファーニチャー」として名をはせた。宮彫師たちが腕を振るい、西洋人の東洋趣味にあわせて、花鳥風月などが洋家具に立体的に彫りこまれた。輸出用であったため、国内に残されているものが極めて少ない。
横浜彫刻家具「鳳凰桜意匠飾り棚」 1890年頃~1920年代初頭 山本博士氏所蔵
佐久間象山あて勝海舟書簡 安政6(1859)年9月22日 山本博士氏所蔵
5. 幕末の歴史を伝える勝海舟の書状
山本氏は、神奈川台場地域活性化推進協会の理事長をつとめており、コレクションには、美術工芸品以外にも多数の歴史資料が含まれます。本展ではトピックの1つとして神奈川台場の古写真や絵はがきをはじめ、設計した勝海舟の書状や肖像写真を展示します。
関連企画の紹介 ―多彩なイベントで展覧会を深く楽しめます― 
1 記念講演会「こんなに集めてしまった・・・。 横浜の記録を未来へ」  事前申込
講 師:山本博士氏(宮川香山 眞葛ミュージアム館長)
日 時:2026年1月10日(土) 14:00~15:30
会 場:横浜市開港記念会館1号室
参加費:1,000円(当日限り企画展観覧無料) 定 員:100名 *先着順
2 展示解説 担当学芸員が企画展の見どころを解説します。
日 時:2025年10月25日(土)、30日(木)、11月8日(土)、12月13日(土)、2026年1月8日(木) 各回とも14時から40分程度。
参加費:無料(企画展観覧券が必要) *直接会場へお越しください。
3 ミニ講座「山本館長、眞焼を語る」  事前申込
講 師:山本博士氏(宮川香山 眞葛ミュージアム館長)
日 時:2025年12月6日(土)1.11時~ 2.13時~。各回40分
定 員:各回40名
場 所:横浜ユーラシア文化館1階ギャラリ-
参加費:無料
4 パネル展「山手西洋館の保存~山手133番館」 
(株)三陽物産が取得した山手の洋館133番館の保存活動を紹介。 協力:(株)三陽物産
日 時:展示会期中
会 場:横浜ユーラシア文化館1階ギャラリー、旧第1玄関
観覧料:無料
○申込方法
申込方法:1.氏名(フリガナ)、2.住所、3.電話番号、4.イベント名を明記の上、当館ホームページまたは往復ハガキでお申込みください。
郵送先:〒231-0021 横浜市中区日本大通12 横浜ユーラシア文化館「展示関連イベント」係
 
企画展連携ガイドツアー 主催:横浜シティガイド協会・横浜ユーラシア文化館、協力:(株)三陽物産
展示会場で明治大正の文物を堪能した後、実際に展示資料にゆかりの場所を訪ね歩いてみませんか。
1.~3.:集合場所は横浜ユーラシア文化館、集合時間は9時半、参加費は1,500円、企画展解説付。
1.大人の塗り絵と港よこはま散策
明治の横浜港の風景写真の塗り絵を楽しんだ後、実際にその現場に足を運びます。
日 時:1.10月24日(金)2.11月12日(水) 定員:各回10名
2.古写真の風景・山手を歩く
山手本通り・外国人墓地などの散策後、山手133番館まで足をのばします(外観見学)。
日 時:1.11月1日(土)、2.12月3日(水)定員:各回40名
3.山下居留地・展示資料の現場を訪ねる
明治大正期に横浜彫刻家具や銀食器などを扱っていた外国商館跡地などを訪ね歩きます。
日 時:1.11月6日(木)、12月20日(土) 定員:各回40名
4.館長サロン講座と宮川香山 眞葛ミュージアム
ザ・ロイヤルカフェ 横浜モンテローザでの茶菓と山本館長の講座、周辺地域の歴史ガイドツアーの後、眞葛ミュージアムを貸切見学。横浜ユーラシア文化館企画展割引券付。
開催日:1.11月25日(火) 2.12月18日(木) 
参加費:2,500円 集合時間と場所:各回9時半、JR横浜駅北改札。定員:各回36名
※詳しいコース紹介と申し込みは横浜シティガイド協会のHPよりお願いします。
プレス向け内覧会の予定
日 時:2025年10月10 日(金)14:00~(受付13:30~)
※申込方法等は後日お知らせいたします。

1 記念講演会「こんなに集めてしまった・・・。 横浜の記録を未来へ」

※詳しいコース紹介と申し込みは横浜シティガイド協会のHPよりお願いします。