~QOL向上を支援するため、埼玉県立がんセンターとカーブスが連携~ |
女性だけの30分健康フィットネス「カーブス」を運営する株式会社カーブスジャパン(本社:東京都港区、代表取締役会長:増本 岳)は、埼玉県立がんセンター(所在地:埼玉県北足立郡伊奈町、院長:影山 幸雄)と連携し、がん患者様の運動療法支援を目的とした取り組みを2025年9月16日(火)より開始いたします。これにより、医師の運動処方を受けた患者様が、ご自身の希望に応じてカーブスで運動に取り組める体制が整います。 | |||||||||
本スキームは、埼玉県立がんセンター整形外科によるがんエクササイズ外来にて発行される運動処方に基づき、治療中または治療後の患者様が、生活圏内のカーブス店舗で安全かつ継続的に運動を実施できる体制を整備するものです。医師の処方に基づく運動支援を、地域のフィットネス施設で提供する体制は、日本初※の試みです。 | |||||||||
※カーブスジャパン調べ | |||||||||
■背景と目的:がん治療における運動の有用性と社会的課題 | |||||||||
本取り組みは、カーブスが有する全国展開ネットワークと、医療機関における運動処方の知見を掛け合わせることで、医療と地域の運動施設を接続し、がん患者様の健康支援に貢献する日本初の試みです。 | |||||||||
がん治療における運動の有用性は、世界的に科学的根拠が蓄積されており、米国がん協会(ACS)やアメリカスポーツ医学会(ACSM)などは、治療中・治療後の運動が、倦怠感の軽減、筋力・体力の維持、QOL(生活の質)の向上、再発・死亡リスクの低下に寄与することを報告しています。 | |||||||||
国内でも、2019年に「がんのリハビリテーション診療ガイドライン 第2版」が改訂され、さらに2024年には厚生労働省が改訂した「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」において、筋力トレーニングと有酸素運動の組み合わせが、がんの発症や死亡リスクの低下に有効であると示されました。 | |||||||||
しかし、がん患者様が退院後も医療的配慮のもとで継続的に運動を行える体制は、地域によっても格差があり、まだ全国的に十分には整っていません。 | |||||||||
本スキームは、医療機関の外来診療と地域フィットネスが連携し、がん患者様が退院後にも、医師の処方に基づいた運動支援を、ご自分の通いやすい地域で受けることができる環境を実現する先駆的なモデルとなります。 | |||||||||
協定は2025年9月1日付で締結いたしました。 | |||||||||
【米国のエビデンス】 | |||||||||
アメリカスポーツ医学会(ACSM)およびアメリカがん協会(ACS)は2019年に発表したガイドラインにおいて、がん患者様の運動療法が以下の効果をもたらすことを明記しています¹: ・がん関連倦怠感の軽減 ・抑うつ・不安の改善 ・睡眠の質の向上 ・筋力や身体機能の維持 ・QOL(生活の質)の改善 さらに、治療後の生存率向上に関する大規模研究も報告されています: ・乳がんの患者様で週3時間以上の中等度運動を継続した群においてがん関連死のリスクが最大50%低下² ・前立腺がん、大腸がんにおいても予後改善傾向を確認³ |
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【日本のエビデンスと行政指針】 | |||||||||
2019年に改訂された「がんのリハビリテーション診療ガイドライン 第2版」では、運動が以下の点で有効であることが示されています⁴: ・抗がん剤治療中の体力・筋力の維持 ・廃用症候群やフレイルの予防 ・ADL(日常生活動作)の保持 ・精神的な活力の向上 |
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さらに、2024年に厚生労働省が改定した『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』では、がんを含む慢性疾患をもつ全年代の成人に対して、筋力トレーニングと有酸素運動の組み合わせが推奨されています⁵ |
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1. Campbell KL et al. (2019). Exercise Guidelines for Cancer Survivors. Med Sci Sports Exerc. | |||||||||
2. Holmes MD et al. (2005). Physical Activity and Survival After Breast Cancer Diagnosis. JAMA. | |||||||||
3. Kenfield SA et al. (2011). Physical Activity and Survival After Prostate Cancer Diagnosis. J Clin Oncol. | |||||||||
4. 日本リハビリテーション医学会(2019)『がんのリハビリテーション診療ガイドライン 第2版』 | |||||||||
5. 厚生労働省(2024)『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』 | |||||||||
■本連携の主な特徴 | |||||||||
1. 地域密着型フィットネス施設との提携 | |||||||||
全国に約2000店舗あるカーブスのうち、まずは埼玉県央地域の9店舗が受け入れ施設として協力。いずれも生活圏内でアクセスしやすく、患者様が無理なく運動を継続できる環境を設けました。 | |||||||||
2. 医師の運動処方に基づいた安全な運動支援 | |||||||||
患者様ががんセンターの主治医から受けた運動処方に基づいて、カーブスのインストラクターが一人一人に合わせたサポートを実施。体調確認や使用制限マシンの管理など、安全性にも十分に配慮します。 | |||||||||
3. 継続的な情報共有とモニタリング体制 | |||||||||
月に一度、運動履歴や体組成測定結果を医療機関と共有。医師とともに、患者様の身体の変化や運動状況を見守りながら、適切な運動療法の継続を支援します。 | |||||||||
■連携スキームの流れ | |||||||||
1.医師による運動処方の発行 | |||||||||
治療中または治療後で、運動を希望する患者様に対し、医師が注意点や内容を記した運動処方を作成します。 | |||||||||
2.患者様による意思確認と申込み | |||||||||
希望される場合、患者様がカーブスへ申込みをおこないます(入会・利用は自費)。 | |||||||||
3.カーブスでの運動実施・サポート | |||||||||
カーブスの専門インストラクターが運動処方箋に従ってひとりひとりに合わせてサポート。体調チェック・運動の指導を適切に実施します。 | |||||||||
4.継続的なデータ共有 | |||||||||
毎月、運動履歴や体組成などの測定データをがんセンターへ報告。必要に応じて、運動内容を調整します。 | |||||||||
受け入れ店舗 | |||||||||
埼玉県立がんセンター周辺の以下の9店舗で患者様をお迎えいたします。 | |||||||||
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■医療機関コメント | |||||||||
埼玉県立がんセンター 整形外科 科長 五木田茶舞先生 | |||||||||
がんの治療は、人の活動量を大きく低下させ、やがてロコモティブシンドローム(骨や筋肉など体を動かすための器官が衰え、立つ・歩くといった移動機能が低下する状態)を引き起こすリスクにつながります。私はその現実を数多く目の当たりにしています。そのため、治療中・治療後も運動を継続することが非常に重要です。しかし実際には、患者さんが退院後や外来通院中に安心して運動を続けられる場所や仕組みは限られており、医療と地域社会の間に大きなギャップがあるのが現状です。 | |||||||||
がん患者さんの運動は、QOL(生活の質)を高めるだけでなく、副作用の軽減や死亡リスクの低下にも寄与することが明らかになっており、極めて重要です。さらに、運動は気持ちを明るくし、笑顔を生み出す力があると臨床現場で実感しています。 | |||||||||
私が求めていたのは、病院内のリハビリにとどまらない、治療中・治療後も患者さんが地域で安全に、そして楽しく運動を継続できる環境です。今回の取り組みは、その一つのモデルケースとして、地域に根差したフィットネス施設との協力により実現したものです。こうした地域資源との連携を通じて、患者さんがより身近な場所で安心して運動を続けられる環境づくりが広がっていくことを期待しています。 | |||||||||
■今後の展望 | |||||||||
埼玉県央地域からスタートするこの先駆的な取り組みが、医療機関と運動施設の連携の新たな可能性を切り開き、多くのがん患者様のQOL向上とADL(日常生活動作)維持、再発防止につながることを願っております。より多くのがん患者様が、身近な環境で安心して運動に取り組める社会の実現に向け、カーブスジャパンとしても、この社会的意義の高い取り組みを支援し、全国での連携拡大に協力してまいります。 | |||||||||
■カーブスについて(https://www.curves.co.jp/) | |||||||||
「女性だけの30分健康フィットネス カーブス」では、「病気と介護の不安と孤独のない生きるエネルギーがあふれる社会」の実現を目指し、全国に1,991店舗を展開し、40~70歳代を中心に84.3万人(2025年5月末日現在)の会員をサポートしています。また、地域からの要望に応じて男性専用スポーツジム「メンズ・カーブス」の展開を進め、全国22店舗(2025年5月末日現在)を運営しています。埼玉県内では「カーブス」118店舗、「メンズ・カーブス」2店舗を運営しています。 | |||||||||
カーブスは既に心臓リハビリテーションの患者様や整形外科の患者様の受け入れなど、医療機関との連携実績を有しており、医療的配慮が必要な方への対応ノウハウを蓄積しています。 | |||||||||
カーブスの運動は、健康づくりに必要な3つの運動「筋力トレーニング」「有酸素運動」「ストレッチ」を組み合わせ、1回30分間で全身を鍛えられるサーキットトレーニングです。独自開発の油圧式マシンで、一人ひとりの体力や筋力に合わせて強度調節が可能なため、安全かつ効果的に運動できます。また、手軽に運動を続け、無理なく成果を出せるよう、インストラクターが一人ひとりに合わせた運動指導やサポートを行っています。 | |||||||||
厚生労働省が2024年1月に発表した「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人および高齢者向けに、筋力トレーニングの実施が初めて推奨され、高齢者向けには多要素な運動(例:サーキットトレーニング)も新たに推奨されました。今回の新ガイドラインは、カーブスが長年実践してきたサーキットトレーニングの重要性を、改めて示すものとなりました。 | |||||||||
カーブスは、大学・専門研究機関との共同研究により様々なエビデンスを保有し、以下のような運動効果が実証されています。 | |||||||||
・筋肉量を維持しながらの健康的なダイエット、メタボリックシンドローム対策に有効 ※1 | |||||||||
・転倒リスクが減り、介護予防に効果的 ※1 ※2 ※3 | |||||||||
・高齢者の広範な認知機能を改善 (認知症予防や認知機能リハビリへの応用が期待)※4 | |||||||||
※1国立健康・栄養研究所 ※2筑波大学大学院 久野研究室 ※3東京都健康長寿医療センター研究所 ※4東北大学加齢医学研究所 川島隆太研究室 | |||||||||
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カーブスの運動は、健康づくりに必要な3つの運動「筋力トレーニング」「有酸素運動」「ストレッチ」を組み合わせ、1回30分間で全身を鍛えられるサーキットトレーニングです。