ムーンショット型研究開発事業 目標1金井プロジェクトInternet of Brains(IoB)は、ドバイ未来財団(DFF)が運営するドバイ・フューチャー・ラボ(DFL)と連携し、人々が自身の脳波(脳から発生する電気信号)や筋電位(筋肉から発生する電気信号)を用いてロボットやアバターを自在に操る、次世代のブレイン・マシン・インターフェース(BMI)技術の共同研究開発に着手します。 |
|
|
|
2025年5月日本でのサイトビジットの様子 |
|
|
IoBは、ドバイ未来財団(DFF)との共同研究パートナーシップを締結しました。本共同研究は、IoBの共通基盤技術開発グループで阿久津完 氏(株式会社アラヤ)が牽引するMultiSense Foundation(マルチセンス・ファンデーション)チームがドバイ・フューチャー・ラボと連携し、チームユーザーが脳波、筋電位、眼球運動といった自らの身体から生じる生体信号を用いて、サイバネティック・アバター(ロボットやデジタルアバターなどの身体を選択肢を広げるテクノロジー)を直感的に制御可能にする、画期的なBMI技術の開発を目的としています。 |
|
本共同プロジェクトが目指すのは、ジョイスティックやキーボードといった従来の物理的なコントローラーに加えて、新しいテクノロジーと人のインターフェースの選択肢を社会に提供することです。そのために、社会の多様な場面で、ロボットやコンピュータ、デジタルアバターを操作する上で最も効果的な神経信号と筋信号の組み合わせを特定していきます。 |
本プロジェクトには、IoBに参画している株式会社アラヤや国際電気通信基礎技術研究所(ATR)といった、BMIの研究開発において先進的な研究開発と社会実装に挑戦する組織が携わります。本技術のプロトタイプ開発と実証実験は、2025年1月から11月にかけて、ドバイ未来研究所(DFL)にて実施されます。 |
|
共同研究ではすでに日本とドバイ双方のサイトビジットを行いました。6月24日にドバイで行われたサイトビジットではIoB 共通基盤技術開発グループ MultiSense Foundationチームの研究者および、金井良太 氏がドバイを訪れ、開発を進めている、脳波をはじめ様々な操作方法に対応したマルチプラットフォームでのアバター操作基盤を用いたロボット操作のデモンストレーションを行いました。 |
|
|
|
2025年6月ドバイサイトビジットでのデモンストレーションの様子 |
|
|
ドバイ・フューチャー・ラボとの連携は、我々が開発する先端技術の社会実装を劇的に加速させるための戦略的な一手です。ドバイ・フューチャー・ラボは、ドバイ政府の強力な支援のもと、都市全体を「リビングラボ(生きた実験室)」として活用し、未来技術の実証と社会実装を世界でも、スピーディに推進する機関の一つです。 |
200以上の国籍の人々が共存する多様性に富んだドバイの環境は、我々の技術がグローバルに受け入れられるかを検証する上で、他に類を見ない理想的なテストフィールドとなります。本提携を通じて、技術開発に留まらず、多様な文化や社会における受容性までを検証し、真に価値ある研究成果として世界へ展開することを目指します。 |
|
ムーンショット目標1 金井プロジェクト プロジェクトマネージャー 金井良太氏のコメント |
|
このたびのドバイ・フューチャー・ラボとの共同研究は、日本発のニューロテクノロジーを国際的な舞台で展開するための重要な取組みです。本プロジェクトを通じて、人間とテクノロジーがより深く融合する未来を実現します。また、DFLとの共同研究をきっかけに、今後も世界中のパートナーと協力しながら、BMI技術の国際標準化やグローバルな共創を推進し、人間の可能性を拡張する技術革新を目指してまいります。
脳波などの生体信号を用いてロボットやデジタルアバターを自在に操作する技術は、人間の身体的・空間的制約を超えた新しい可能性を切り拓くことができます。ドバイという先進的な環境で実証を進めることで、私たちの目指す『Internet of Brains』の構想を世界規模で推進し、BMI技術の社会実装を一層加速していきたいと思います。 |
|
ドバイ・フューチャー・ラボ エグゼクティブ・ディレクター ハリファ・アル・カマ氏のコメント |
|
「このパートナーシップは、人とテクノロジーの協働における新たなフロンティアを切り拓くものです。私たちは、神経と筋肉からの情報を組み合わせることで、誰もが直感的かつ容易にアクセスできる技術を構築しています。この技術は、身体に制約のある方々が世界と関わる方法を一変させるだけでなく、医療やゲームといった、私たちの未来の社会システムそのものを変革する大きな可能性を秘めています。今回の連携は、ドバイを神経インターフェース技術イノベーションの世界的拠点とするための、重要な一歩となるでしょう。」 |
|
同氏はさらにこう付け加えています。「ドバイは、世界のパートナーと共に、人間とテクノロジーの関わり方を再定義しています。こうした技術的な飛躍は、経済を活性化させ、すべての人々の生活の質を向上させる形で最先端技術を社会に統合していく上で、不可欠な要素なのです。」 |
|
未来のインターフェースを、より人間的に |
|
本連携は、実世界環境で人の身体の延長となるアバターを制御するための最も効果的な生体信号の組み合わせを特定し、インタラクティブ・ロボティクスとデジタルシステムの限界を押し広げることを目指します。また、その成果は、BMI分野における学術研究、特許、論文発表を強力に後押しするものとなります。 |
|
本プロジェクトは、ニューロテックやそれを基盤としたサイバネティック・アバター技術の研究開発と社会実装を推進してきたIoBの活動をグローバルに展開する基盤となります。ドバイと共創していくことで、テクノロジーの発展だけでなく国際的なスタンダードを提案し、さらなる連携の機会を創出し、未来の人とテクノロジーのインタラクション研究の最前線になることが期待されています。 |
|
関連リンク |
|
ムーンショット型研究開発事業 目標1 金井プロジェクト:https://brains.link/ MultiSense Foundation Team(マルチセンス・ファンデーション・チーム):https://research.araya.org/ja/research/multisense-foundation-team ドバイ・フューチャー・ラボ:https://www.dubaifuture.ae/initiatives/future-design-and-acceleration/dubai-future-labs
|
|